SESエンジニアの年収相場と、差が生まれる仕組み
「同じ経験年数なのに、なぜSESだと年収が低めに出やすいのか」を、公的統計と公表調査をもとに整理します。数値はすべて推計・目安であり、個人差があります。
SESの平均年収はどのくらいか
複数の公表調査では、SES(客先常駐)エンジニアの平均年収は約400万円前後とされます。一方で自社開発・SIer・社内SEなど正社員エンジニアの平均は500〜600万円台の水準が多く、SESはそこから100〜200万円ほど低い傾向が指摘されています。もちろん高還元のSESや上流を担うポジションもあり、あくまで平均の話です。
なぜ差が生まれるのか(商流と中抜き)
最大の要因は、客先常駐の多くで発生する中間マージン(中抜き)です。厚生労働省のデータでは情報処理・通信技術者の平均マージン率は約37.7%とされ、エンジニアへの還元率の相場は50〜60%(高還元をうたう企業で70%以上)と言われます。二次請け・三次請けと商流が深くなるほど、間に入る会社の取り分が積み重なり、手取りに反映されにくくなります。商流ごとの取り分自体は公的に非公表のため、本ツールでは商流の深さを「参考」として扱っています。
職種・経験年数による相場の目安
年収のベースは公的統計(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)です。たとえばバックエンドの中央値の目安は、経験3〜5年で約440万円、6〜9年で約480万円、10年以上で約540万円と、経験に応じて上がっていきます。インフラ/SRE、データ/ML、PM/PdMは需要が高く、10年以上で600万円台後半〜の目安になる職種もあります。これらは「所定内給与」ベースの保守的な推計で、残業代を含みません。
勤務地と雇用形態でも変わる
同じスキルでも、勤務地によって相場は変わります。本ツールでは東京を1.00とし、大阪0.87・愛知0.85・首都圏近県0.84・福岡0.78・その他地方0.73といった地域補正の目安を用いています。雇用形態でも、自社開発正社員を基準(1.0)としたとき、SESは0.82、フリーランスは保障・経費・案件途絶リスクを織り込んで1.15といった相対係数で扱っています(いずれも公表値からの推計)。
求人市場の需要
IT職種の有効求人倍率は2024年度で約1.53倍(全職業計は約1.14倍)とされ、需要は高い状態が続いています。求人票の提示年収は在職者の実支給額より高めに出やすく、求人ボックスの2026年5月データではITエンジニア全体で約478万円という水準も見られます。つまり「今の年収」と「市場が付けている価格」にはズレが生じやすく、そのギャップを可視化するのが本ツールの目的です。
自分の場合の目安を知りたい方は、診断(登録不要・最短60秒)から確認できます。算出の詳細は算出方法とデータの根拠をご覧ください。